10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
よろしければバナーご利用ください。報告はよろしくです
mixiでもいろいろとのっけてますが、近いうちにこっちに移行する予定。
BSRは明智と毛利に愛注いでます。
MSUは三成。
何ってきっとイケメンのツンデレと変わった人が好きってだけ。
FFはセフィロスとルーファウス
RPGは主人公よりもヒールを好きになる傾向が強い。
イケメン頭脳派にどっぷり浸かる。抜けだせない。
乙女ゲーとやら
アリスシリーズ ブラッド、ナイトメア、ユリウス、グレイ。
クリムゾンシリーズ ジャスティン、ランビュール
薄桜鬼 風間、土方、斎藤
華ヤカ 脱学生組
大人の男ってやつさ、駆け引きのうまい人なら尚更いいんでねえの。
何かありましたら
come∂on.disaster21c★biscuit.ocn.ne.jp
(∂の部分にハイフン、星の部分に@当てはめてやってください)まで。
リクエストは拍手からでも此方からでも。
ツイッター始めました!
Tweet to @Kazuna_bright
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
企画参加作品。 正×はるでお送りいたします。
ED後設定。はるは大人になりたい。
社交の場というものに出て、はるはまた一つ己の無知を嘆いた。煌びやかに着飾ったご婦人たちの中に放り込まれて、財閥がどうの銀行がどうのという話を聞き、貴女はこの先資産をどうされるおつもりですの?との問いに、屋敷のものは、全て任せるように言われていると返すのがやっとだった。彼女たちはそんなはるを哂った。また、化粧や服装にも気後れしていた。夜会で映えるようにと色の濃いドレスを身にまとい、自分では施せぬようなしっかりとした化粧をしてもらう。鏡の中の自分は何時も不安げな顔をしてちっとも美しくないのだった。
しかし、それを続ける理由がはるにはあった。一回りと少し年の違う夫は酷く先を歩いており、時折振り向いて言葉を掛けてくれるけれど、寄り添う他のご婦人たちととても絵になっているような気がして、その隣に並ぶことが出来ない。もう少し、大人になりたい。はるは手鏡に向かってそう願うのだった。
「はあ、大人になる方法?」
はるは当主になった夫へ報告に訪れた喜助に相談していた。喜助は軽く首を傾げた。半年以上はると正が結婚を決めてから日が経っている。既に社交界にもそれは行き渡っているし、何より九十九院とさほど変わらずにその話が出たためにさぞかし人の頭に残るだろうとまで言われていた。実際、正は早く帰宅するようになり、社交に於いても、商談の途中であってもちらちらと彼女の姿を探すのである。溺愛、と言えた。
だから、喜助はさぞかし夫婦仲はいいと知っていたのである。女性として艶の出てきたと、兄弟たちの中でも評価されてきたはるは、使用人だったころの面影はあるものの既にれっきとした女性だった。
「そんなことしなくったって、正様とよろしくやってんじゃねえのかい?」
「そ、そんなことを言ってるんじゃないんです!」
真っ赤にした顔ではるは喜助の背を叩いた。喜助はいててと言いながらも笑ってしょうがねえなあ。と一つの策を授けた。
はるは勇の母、トキと共に出かけることとなった。勇も途中までついて行こうとしたが、正が一喝して辞めさせた。兄弟で最も危険なのは勇であると思っていたのである。そうして、夜会には会場で落ち合うと約束して自らも銀行へ出向いて行った。トキはウキウキとしながら洋服を選び、いくつかはるに贈り物だと言いながら買い物を楽しむ。そして、うかない顔のはるの悩みを知ったのだった。
「あんなあ、愛されとるっちゅうことが、女にとって、妻にとっては自信になる。ほな男は何か。愛しとる女が穏やかに笑って隣りに居ってくれたら、それが自信になるんや。はる、あんさん正さんの前で笑えるか?知識のことは、そらしゃあない、けどな。心尽くしてあんさんのために服選んで言葉を掛ける正さんの、隣にちゃーんと居ったらなあかんで?」
いつも不安で仕方ないはる。屋敷の中なら何も恐れることなく一人を思うだけで満たされるというのに、自分一人が別世界のような晩餐会は周囲の目や言葉が容赦なく心を穿っていく。せめてもっと綺麗だったら、年が近かったら、経験があれば。思うことはあるけれどどうしようもない。
そんなはるに、トキが魔法をかけた。
ダンスホウルには既に人が多い。先に入っていたはるは、窓の近くで待ち人が現れるのを待っていた。深紅のドレスは肩を露出させ、はるの白い背中をも若干見せつける。だが、緩く巻いた黒い髪がそれをそっと覆う。ショールは肩にかかるかかからないかくらいにするようにとの指示通り、はるは銀の艶のある灰色の柔らかなそれを腹の前で手を添えて留めていた。
正は会場に着くと、お連れ様は既にお待ちです、と言われた。急いで入ってみれば一端此方に向いた視線がまたある一人に戻っていく。
「ま、さか……はるか?」
大股に近づけば此方の姿を認めて表情がほころぶ。横顔は全くの別人のように見えたというのに、向けられる笑顔は何ら変わりないはる以外の何者でもなかった。何時になく艶やかな姿を他の人間に晒したくなくて、正ははるの手を掴んで会場を出る。小走りになっているはるは不安げに瞳を揺らした。だが、立ち止まった正に抱き締められて安堵の溜息をついた。素直に、嬉しいと。
「はる、お前いきなりどうしたのだ?男の目がお前にばかり向いていて、正直気が気でなかった。急に俺の手を離れていったような気がした。そのままでいい、無理はしてくれるな。」
抱き締めた腕を解いて正は微笑んだ。仕切り直しだ、そう言って会場へ戻ろうとする正の服の裾をはるが引いた。小声で待って、と言ったはるの気持ちはちゃんと届き、正は軽く首を傾げて此方を向いた。
走り寄って少しだけ踵を上げてはるは――