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プロフィール
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性別:
女性
職業:
ぷーではない。ちょっくら滋賀まで行っている。
趣味:
創作活動 読書 ゲーム……
自己紹介:
いろんなゲームが好きでやってみてはいろいろ小話が浮かんで困っている。自重しない。
mixiでもいろいろとのっけてますが、近いうちにこっちに移行する予定。
BSRは明智と毛利に愛注いでます。
MSUは三成。
何ってきっとイケメンのツンデレと変わった人が好きってだけ。
FFはセフィロスとルーファウス
RPGは主人公よりもヒールを好きになる傾向が強い。
イケメン頭脳派にどっぷり浸かる。抜けだせない。
乙女ゲーとやら
アリスシリーズ ブラッド、ナイトメア、ユリウス、グレイ。
クリムゾンシリーズ ジャスティン、ランビュール
薄桜鬼 風間、土方、斎藤
華ヤカ 脱学生組
大人の男ってやつさ、駆け引きのうまい人なら尚更いいんでねえの。
何かありましたら
come∂on.disaster21c★biscuit.ocn.ne.jp
(∂の部分にハイフン、星の部分に@当てはめてやってください)まで。
リクエストは拍手からでも此方からでも。
ツイッター始めました!
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喜助は舌打ちした。もっと早く動くべきだったと思う。だが、仮にもまだ大将の権威は大きく、事を荒立ててしまえば勇の折角の昇進に傷がつく。慎重に慎重を重ねなければ、そう平助が譲らなかったために、事は深刻になっていた。
「あれを壊したのは、俺も同然だな」
報告を聞いて勇は唸った。浮かれていた。はるが縁談を――望まぬ縁談を呑んだことに憤り、その覚悟を無駄にすまいと大阪行きをやめなかった。結果として、妾という地位に貶められ、辱めを受けて身体を壊したと。勇にとって、愛を囁くべき相手は罪の塊になってしまった。自らが負うべき咎を全て被ってようやっと生きているだけの状態にさせてしまった。悔しさから拳を握りこめば、爪が肌を傷つけて血が流れた。喜助が止めるように言っても、こんな微々たる血液が流れたところで変わりはすまいと口に出来た。
「そうだ、たったこれだけで死ねるものか。」
喜助は玄一郎の名代として子息の家を訪ねた。粗相をしでかしてませんかい、そう下手に出て聞いてやれば、下卑た笑みを浮かべてあれは実によく働いた、そう言ったという。それで推測がついたことにも嫌悪感を覚えたが、喜助は玄一郎様のお墨付きでしたからね、と濁した。あんな奴にと思えばこの屋敷を吹き飛ばしてやろうかとさえ考えられた。ちょっと顔を見たいと言ったら別棟に居るから見舞ってこればいいと簡単にはいることが出来た。ペラペラの布団で少しでも暖を取ろうとして縮こまらせた身体。それは皮肉にも、必死で腹を守るとする女性のそれに見えた。あの家に嫁したはるのことは、その後も逐一監察が続いていた。だからその身に起きたことは、喜助をはじめ屋敷の暗部を知る者の耳には入っている。傷つき、それでも生きているはるを放置していることを告げると、勇には限界だったようで、大きな机の上に乗っていた本や万年筆、書類もろもろが大きな音を立てて下へと落ちた。
「もう、いい。誰に反対されようと、連れ戻す。喜助、手配しろ」
正妻がいるのであれば、あのようにぼろぼろになった女を囲っておくのは体裁が悪かろう。放り出すのも名が落ちる、だというのならこの宮ノ杜が内々に何とかしましょう。二個連隊の連隊長に付けてくださった恩もありますし。子息の意見など端からどうでもよかった。思わぬ荷物となったはるを外に出すに出せなかった大将は一も二もなく同意した。
喜助が青褪めたはるの頬に触れた。涙の跡と、こけた頬。窪んでしまった目と閉ざされた瞳。ひんやりと体温を感じさせないはるを、真っ白な毛皮の外套でくるむ。布団などより余程温かなそれで包まれたはるは、少しだけ表情を和らげたように見えた。小走りで外に出て、待っていた自動車の後部座席へとはるの体を横たえた。そこには一人座って居り、自分の身に持たせかけるように位置を変えた後、その身に障らぬように優しく抱きしめた。運転席へと滑りこんだ喜助は、小声ですまない、そう当主が呟いたのを聞かないふりをしてアクセルを踏み込んだ。
玄一郎も最早反論はしなかった。傷つき、半分死んだようなはるを見て何も言わずに目で平助を呼び、アトリエへと去っていった。勇は密かに軍の中で大将子息の生活の乱れと女癖が悪いという噂を流し、進もそれに合わせて縁のある女性が被害になったので保護しているのだと話した。正は接待の中で噂の裏付けをするようにまことしやかに大将株を下げる言葉を並べたて、金を流した。数日の間に大将への信用は失われ、更に政治家筋に行きわたった金と悪評によって、子息は妻と離縁する羽目になった。これは単に玄一郎の手回しである。
「俺が好意でものをしてやる様に見えたのだとしたら、とんだ節穴だな。欧州大戦を生き抜いて、善意のみで生きる偽善者になど成り下がった覚えはない」
勇は暗く笑った。治療の終わったはるは、尚も意識が戻らない。けれど、先程よりはまだ心持顔色は良くなったと思うし、浅かった呼吸も落ち着いている。真っ暗な部屋で明かりも点けずに、ただはるを抱きしめて勇は哂った。
「やっと、俺の元へ戻ってきた。もう俺のものだ、誰にも奪わせはせん……」
まだ自分より少し低い体温のはるへ、分け与えるように身を寄せて頬を撫でる。この先、はるを引き離す存在は排除しなくては。誤った決断によってまさかここまではるを危険にさらすことになるとは思ってもみなかったが、これも己とはるに与えられた試練だった。はるに苦痛を強いたのは不本意だった。一生を掛けて償ってやろう、自分の持てる総てを以て。もぞりと身動ぎしたはるを腕に、勇は誓った。
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