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プロフィール
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性別:
女性
職業:
ぷーではない。ちょっくら滋賀まで行っている。
趣味:
創作活動 読書 ゲーム……
自己紹介:
いろんなゲームが好きでやってみてはいろいろ小話が浮かんで困っている。自重しない。
mixiでもいろいろとのっけてますが、近いうちにこっちに移行する予定。
BSRは明智と毛利に愛注いでます。
MSUは三成。
何ってきっとイケメンのツンデレと変わった人が好きってだけ。
FFはセフィロスとルーファウス
RPGは主人公よりもヒールを好きになる傾向が強い。
イケメン頭脳派にどっぷり浸かる。抜けだせない。
乙女ゲーとやら
アリスシリーズ ブラッド、ナイトメア、ユリウス、グレイ。
クリムゾンシリーズ ジャスティン、ランビュール
薄桜鬼 風間、土方、斎藤
華ヤカ 脱学生組
大人の男ってやつさ、駆け引きのうまい人なら尚更いいんでねえの。
何かありましたら
come∂on.disaster21c★biscuit.ocn.ne.jp
(∂の部分にハイフン、星の部分に@当てはめてやってください)まで。
リクエストは拍手からでも此方からでも。
ツイッター始めました!
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届カナイ手、埋メラレナイ心 続き 視点代わります
弐年。それは俺にも変化をもたらしている。
はると居ればだんだんと宮ノ杜に対する殺意は薄れていく。けじめとして宮ノ杜へ赴いた後、別れを告げられても、思ったより俺の心は凪いでいた。確信していたのだ、また必ず会うことになる、しかるべき年月の後に迎えに行くことを。だが、何時まで経っても迎えに行けなかった。
届いていた手紙が来なくなった。これはもしかしたら縁談がまた来たのかもしれない。今度こそ逃れられない、と言っていたことがあった。この弐年の内に、彼女は遠い処へ行ってしまったかもしれない。自分の不甲斐無さに腹が立つ。どうして待っていてほしいと思ったのか。それは落ち着いたら自分がはると一緒になるためである。だというのに迎えに行けず、他の男と彼女が結婚したら離れた意味など何もない。どうしてそう分かった今も動けないのか。
本屋で装丁された後の本が並んでいるのを見た。書いているうちに本来の彼女の姿とは変わってしまったのだ。逢いたい、と。迎えに行きたいと、回想しているうちにそればかりを書き殴ってしまいそうで。だから少しでも紛らわせるため、彼女には凛々しい姿になってもらうことにした。
弱っている姿も、溌剌と働いている姿も、懐かしくて愛しい。銀座でこうして歩くだけで、はるがいるような気がするのだ。ひょっとすると帝国百貨店から出てくるのではないか。そう考えて苦笑した。だがふと角の扉に目をやると、使用人姿の彼女が出てきた。
「な、どういうことだ……あれは今故郷に居るのでは……」
ふらふらと追いかける。そう言えば、あの口うるさい女が今は使用人を切り盛りしているのだった。彼女は俺に気付くのだろうか。前を横切って、一呼吸。後ろから声をかける。声をかける前に止まったということは、きっと、そうなのだろう。
仕事があると言って立ち去る彼女を、本当は引きとめたかった。だが、彼女の眼は一度も俺の眼を見なかった。俺の姿かたちを確認し、俺のことを変わったと言った。何故そんなに悲しそうな顔をするのだろう。俺はお前が思うように変わったわけではなかったんだろうか。それとも、弐年かかってそれでも迎えにいかなかったせいで、もう冷めてしまったか。お前は俺を、切り捨ててしまうつもりなのか。
それは嫌だ。この弐年、こうして穏やかな心持でいられたのは、単にいつかまた、今度こそずっと一緒に居ると決めていたからである。前の夏は彼女の親を騙して縁談を破棄させた。印象が悪くとももう気にはしない。約束を果たしに行こう。俺はあいつを好いているのだと。だから引き取るのだと。まずは宮ノ杜に行くに限る。
当主の気に入っている酒を持って、はるが向かったであろう街鉄へ急ぐ。きっとまた、あのたえとか言う使用人はまくしたてて怒るのだろう。もしかしたらはると逢わせないように立ちはだかるかもしれない。だが、構うまい。当主から手を回す様に言わせればいい、なんなら接客ははるに頼ませよう。
あんなに悲しい顔をさせたくて離れたのではない。続く幸せを始めるために笑って別れたはずなのだ。あの時ああしていればよかった、もっと器用に行動していればこんなに回り道しなかった。とはいえ、もう過去のことをとやかく言う必要はないだろう。これから俺の隣にははるがいて、それは俺のこれからにとって必要不可欠であると。
「ええっ、お客さん?」
「あんたがやるべき仕事でしょーが!買い物行かなくて良くしたんだから、これだけでいいからやりなさいよ、全く」
泣いてちょっと人には見せられない顔になりつつあったというのに、はるは無理やり顔を洗って化粧をされて玄一郎の部屋に来ていた。お茶の用意と酒の用意、両方持って扉を叩く。入れと促されて失礼しますと踏み入れれば、にやりと笑う当主の顔。何か御用ですか、と聞こうとして近寄ろうとした瞬間、がしっと手首を掴まれた。ひっ、と息を呑んで変な声が出た。それは部屋に居た二人も同じく聞いており、くぐもった笑い声がする。
「そんなに怯えずとも、とって食うわけではない。まあ、座れ」
当主は顎でついっと客人の隣を指した。客人は相変わらずはるの手首を掴んだまま。立ち上がって少し右にずれた客人は、先に皮張りのソファにどかりと座った。くん、と引かれてはるも隣に腰を下ろす。二人の顔色を窺うようにおどおどしている。逃げないと分かると客人は手首から手を放し、そっとはるの手を握った。しっかりと繋がった手は、少し冷たいけれど、そんなことはどうでもよかった。客人の顔をはるは無意識にじっと見つめていた。どうして、何故。困惑しているのは簡単に読み取れて客人――宮ノ杜守は苦笑して視線を隣にやった。今度はちゃんと視線が交わった。それで、よかった。
「それで、許可してくれるんだろうな」
「ふん、お前がそうしたいというなら、儂が妨害しようとも遂げるのだろう。好きに生きるがいい。だが、祝言くらいは挙げろ」
「貴様に言われずとも、考えている」
はるを置き去りにして話は進んでいたようで、ポカンとしている間にことは決まったようだった。貴様は解雇だと言われてはるは戦慄したが、不満そうな顔を守に向ければ、お前は俺と結婚するのだ、俺の家に住み、共に生活するには仕事を辞めてもらわねばならん。と言われて破顔した。たえは守を見つけて冷たい視線を向け、一番使える人間を引っ張ってきたのにもう取られちゃうなんて!しかもさっきまで泣かせてたのに……と散々文句を言った。片眉を上げてため息をついた守は一言、
「遅れはしたが、これを女であろうとであろうと使用人であろうと、俺から引き離そうなどと考えるな。無理というものだ」
そう言って屋敷を後にした。
そして 現在。
原稿を出しに行ってくると言ったまままだ戻ってこない守の帰りを待っていたが、穏やかな気候は眠気をもたらす。仕方がないのでちょっとだけ、と横になったら驚くほど速やかに意識がなくなった。
一方、パーラーの新作といつものシュウクリイムと迷って、結局いつものを買ってしまった守は、丸くなって床で寝ている妻にやれやれと息を吐いた。何時でも眠りは緩んだ顔の妻を見て、このおやつはどうするかと暫し思案する。幸いなことに、少し放っておいても傷みはすまい。ちょっと傷んだところで、食い意地の張っている妻は食べてしまうだろう。だから、いいか。そっと頬を撫でて自らも傍らに横になり、手を握る。温い手だ、そう思いながら守も目を閉じたのだった。
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