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mixiでもいろいろとのっけてますが、近いうちにこっちに移行する予定。
BSRは明智と毛利に愛注いでます。
MSUは三成。
何ってきっとイケメンのツンデレと変わった人が好きってだけ。
FFはセフィロスとルーファウス
RPGは主人公よりもヒールを好きになる傾向が強い。
イケメン頭脳派にどっぷり浸かる。抜けだせない。
乙女ゲーとやら
アリスシリーズ ブラッド、ナイトメア、ユリウス、グレイ。
クリムゾンシリーズ ジャスティン、ランビュール
薄桜鬼 風間、土方、斎藤
華ヤカ 脱学生組
大人の男ってやつさ、駆け引きのうまい人なら尚更いいんでねえの。
何かありましたら
come∂on.disaster21c★biscuit.ocn.ne.jp
(∂の部分にハイフン、星の部分に@当てはめてやってください)まで。
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勇×はるの初めてのSSでした。華ヤカ創作ではこれが実は一番はじめだったのです。
立ちあげて最初に載せたのは隠しキャラという(笑)しかしどれにも愛はこもって居りますよ。
これの続きとして書いたものが 夫婦ハ我ガ子ヲ語ル となって居ります。
「ふん、使用人など構っておれば程度が知れよう。貴様もさっさと車に乗れ、奴は捨て置け」
海水浴場の開場に伴う式典に呼ばれて、結局置いてけぼりにされてしまったことをまだ覚えている。というか、根に持っている。ダンスの練習だって、あんなに貶さなくってもいいと思う!私が田舎から出てきたのはあの時周知の事実だったし、無謀を承知で提案されたものなのだから、多少道程が困難でも教え方にだって問題があったのかもしれないじゃない!こんなことは面と向かっては言えないけれど。
そうやって貶しておいて、時々台詞に恥ずかしい部分があるのが悔しいところだ。何が悔しいってそれでちょっとときめいたり動揺してしまう自分自身。無駄に整ったお顔をされているのでこっちは身が持たない!経験がないんだからしょうがないでしょう、俺だけ見ていろ、とか、貴様でなければならん、最初からこうしておけばよかった、とか言われたらきっと私じゃなくても落ちると思う。
「母上ー!」
最近身体を動かすことが好きらしい長男は、こうして走り寄ってくれる。夫は滅多に笑わない(悪だくみをしている時の笑みは除く)ので、瓜二つのこの子が笑っているのを見ると、若干目眩がするというのは私だけの秘密だ。足元にがしっと抱き付いたかと思えば、此方を見ることなく周りをきょろきょろと見回している。この子はどうやら誰かから逃げているか、もしくは探しているかであることがわかった。
「どうしたの?」
一言そう訊ねただけなのに、あわあわと挙動不審になり、しーっといいながら口元に人差し指を立てる。こんなところが私に似ても全然嬉しくない。どうしてあの人の凛々しい流し眼とか冷静さを受け継がなかったのか。遠くから聞こえる規則正しい軍靴の音。ふむ、見つからない様にこそこそしているのか、いつかの私と同じように。
ふと反対側から軽い足音がパタパタと近づいてくる。きっとこれは使用人頭のたえだ。
「司様ー?おやつの時間でございますよーお部屋にお戻りくださーい!」
本来こんな大声を出せば叱られるところではあるが、かくれんぼの続きとか言って出てこない我が子には仕方あるまい、ということで特別にこの子を呼ぶ時は許可が出ている。
息子はおやつと聞くや否やたえの方へと走っていってしまった。結局は母親をも中継点とする(たぶん中継点と書いて踏み台と読む)良き当主に何時かなるだろう。溜息が出る。
「うわっ」
「全く……司は逃げたか」
先程軍靴の音が聞こえたのとは違う方向から夫は現れた。急に引き寄せられて一瞬刺された記憶が蘇り、変な声を出してしまう。急速に血が巡る感覚に動揺を隠せないでいると、若干眉間に皺を寄せた夫が顔を覗き込んでいる。
「前にもお願いしましたけど……急に後ろから脅かさないでください!一瞬心臓が止まるかと……」
実は今にも腰が抜けてしまいそうなのを、どうにか均衡を保って立っている状態。誰かに突かれたら倒れてしまうと思う。少し震える手をぐっと握って圧し殺した声ですまない、そう言って目を伏せた彼の顔は、いつかの二度と離れぬと言った誓いの時と同じであった。ああもう!あれから5年は経つというのに何時まで経っても慣れない。
もう少し寄りかからせてもらおうと思っていたが、彼は顎に手を当てて首を傾げ、少し思案した後徐に私を抱き上げた。
「ちょっ!今皆さんの屋敷に居るんですよ!」
「それがどうした。体調が悪いのにふらふらと出歩くお前が悪いのだろう。観たいやつには見せつけておけばいい、お前も当主の妻である自覚を持て、堂々としておけ」
こんなことで堂々としていたら雅様辺りに「気でも違ったの?」と言われるだろう。ああ、私も司と一緒におやつ食べに行けばよかった。せめてもの意趣返しに、力を抜いて体重を掛けてみた。――軍人の夫には全く堪えていないようだった。
「司が稽古をさぼっておるようだからな、今日はこの俺自ら稽古をつけることにしたのだ。早く帰宅してやったというのに、全く……俺には寄りつかん」
如何にも気に喰わない、と不満気ではあるがふてぶてしい態度をしている現当主で夫、勇様は内心結構落胆しているのだと、今なら分かる。でもね、最近使用人の代わりに毎朝起こしに来てくれるようになった我が子は、一刻ほど先に私をそっと起こした後にそこへ潜り込んで父上と時間まで寝ている。素直に甘えられないのは一体どちらに似たのだろうか。そして、気配に敏いはずの夫が目を開けることなく招き入れているということにも笑わずにはいられない。
使用人の間では、枕を持って自室から夫婦の寝室へ朝方走っていく息子のことは微笑ましい目で見られている。初めてあの子が枕元に居た時はぎょっとして悲鳴をあげそうになった(何にもなかった朝でよかった)が、あの子はあの子なりに父を好いていることがわかる。時々叔父である正様や茂様、進様を伴って寝室のドアをノックするから(どうして皆さんそんな時間に起きて居られるのか)此方はハラハラするのだけれど。
川の字になるべく母である私も混ざりたいのだが、父子の邪魔をする訳にもいかず、身支度を整えて給仕のために部屋を出る。使用人でなくなった今でも、身の回りのお世話は私がしたいことだから。
あんなに厳しくてついていけないと思った人だったのに、気付いたらこんなに間近でしかもずっと一緒に居たいとは。あの時大将閣下の御子息に嫁がなくてよかった。ほんとにそう思っている。
(いまおもえばそこにない)
ちゃっかりこれの続き 夫婦ハ我ガ子ヲ語ル>>